第39章 彼女が土下座するのを待っている

ほんの一瞬――池田真哉は、全身の血の気がすっと引くのを感じた。

な……なんだ、今のは。

どうして、あんな少女から、あれほどまでに禍々しい気配が立ちのぼる?

さっきの一幕だって、きっと何かの見間違いだ。

そうに決まっている。

池田真哉はきつく眉をひそめ、無理やり気を奮い立たせた。

見た目は華奢そのものの女だ。

そんなやつが、山本源をあそこまで叩きのめせるはずがない。

認めるものか。

「クソ、ぶっ殺されてえのか!」

池田真哉は拳を握りしめ、そのまま橘結衣の顔めがけて殴りかかった。

橘結衣は彼の腕を取ると、くるりと背後へ流す。

次の瞬間、鮮やかな手つきで肩を外し、そのまま肘...

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